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ネイティブアメリカンの教え:メディスンウィール

 みなさんこんにちは〜私はアメリカに来て約20年になりますが、こちらに来て受け取ったギフトの一つにネイティブアメリカンの先住民の教えがあります。今日はその教えの骨格とも言えるメディスンウィールについて私が学んでいることをシェアしていきます。一般的に、ネイティブアメリカンとはアメリカ合衆国の先住民を指していますが、彼らはアメリカやカナダが建国される以前からこの地に根を張って生命を育んでいたわけで、アメリカやカナダの歴史以上に長く深い歴史があります。また、先住民は北米大陸に限らず、世界中に点在しており、場所は違えど文化や精神性に多くの共通点が見られます。この記事の内容は、筆者が長年、個人と組織の共存について研究を続けてきた過程で出会った学びの先人と北米大陸の先住民から授けられた知恵をもとに私が仕事やプライベートで実践していることを紹介しています。⭐️

  

目次

  • メディスンウィールとは
  • メディスンウィールの使われ方
  • サークルとナンバー4
  • メディスンウィールを使ったエクササイズ
  • まとめ

 

  1. メディスンウィールとは

北米大陸では何世紀にもかけて数千ものメディスンウィールが作られてきました。これはアメリカ合衆国やカナダの建国以前からの先住民族の知恵ですから、当然ながら北米に位置するアメリカ合衆国だけでなく、カナダの先住民もこれに含まれます。カナダの先住民たちは自らがファーストネイションという呼び名で呼ぶようにと自らが公式に宣言しています。メディスンウィールはネイティブアメリカン/ファーストネイションの各部族によって少しずつ異なった表現が用いられていますが、共通しているのは、私たちは宇宙の一部であること、そして自然の流れに沿っていきていくことが私たちの幸福と可能性を最適化するという教えです。メディスンウィールはネイティブアメリカンにとっての曼荼羅のようなもので、人間と自然、そして宇宙がどのようにつながりを持ってこの世に存在しているのかを説明するモデルのようなものです。個人とコミュニティの健康と癒しを軸に、この世のライフサイクルが表現されています。

 

  1. メディスンウィールの使われ方

メディスンウィールは、彼らの生き方や哲学の教育や儀式、セラピーなどに使われてきました。代々引き継がれたメディスンウィールはそれぞれの部族の生きる指針となり、困難に直面しても、メディスンウィールはそれらを解決する指針となってきたわけです。15世紀末以降、ヨーロッパから移住してきた白人に土地を奪われ、迫害、虐殺され、伝統や文化を消失される中、高い精神性と調和の心を今も伝えようとする先住民の知恵は人類の財産であり、希望であるとも言えるでしょう。

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  1. サークルとナンバー4

ほとんどのメディスンウィールはサークル、つまり円の形を用いることで、完璧さと無限性を表しています。また、円は調和、浄化を意味する形としても捉えられており、バランスと全体性を育むための癒しのしるしとしても考えられていました。円くなってストーリをシェアしながら問題に向き合ったり、ヒーリングセレモニーをするのも、各地に点在する先住民の共通点です。また、4は神聖な数字ということから、大多数のメディスンウィールは円を四つに分けた形が使われています。また、その形に基づいて、様々なライフサイクルがそこに示されています。

 

例えば、

方位:東、南、西、北

季節:春、夏、秋、冬

ライフステージ:赤ちゃん、若者、大人、老人

ライフエレメント:大地、火、水、風

人種:赤、黄、黒、白

人間の試練:成功、敗北、平和、戦争

 

など、まだまだいろいろあります。

メディスンウィールには、太陽、月、地球そして惑星、生命、コミュニティー、意識、エネルギーなど多岐にわたるエレメントが含まれています。メディスンウィールはこの世界における基本的な要素を網羅しており、世界の部分の調和と全体を表現しています。

 

今回はその中から人間の4つの側面についての説明を紹介します。

 

ネイティブアメリカンは人間の存在を4つの方向から理解しました。1. 思考、2. 身体、3. 感情、4. 霊性・精神性です。

 

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ヒューマンディベロップメント、人間の成長と能力開発の観点からすると、自分の肉体が鍛えられると同時に行動することで結果が現れ、学校教育では主に思考力が鍛えられ、社会や人間関係から感情や情緒が育まれ、先祖や先人からは文化、価値観、スピリット受け継がれ、養われます。これらの4つの要素はひとつひとつは単に独立した存在というわけではなく、すべて相互に作用しあってひとりの人間の存在をつくっています。何一つ欠けても人間は存在することはできません。1+1+1+1=1という考え方です。Wholeness is more than the sum of the parts. 物事の全体はパーツの合計以上のものであるという意味とも言えますね。

 

また、このメディスンウィールの右半分(思考、肉体)は自分からも他人からも比較的見えやすい部分となり、左半分(感情、霊性・精神性)はどちらかというと隠れた存在として見えにくいものとなっています。私たちの社会はこの見えやすい部分を意識しがちですが、実は左側の見えにくい部分が見える部分を導いているとも言えます。これらの4つの要素のバランスが整っていると、私たちが人間としてサステイナブルで健康的な生活を営むことができ、また成長、発展の可能性を最大限にすることができるという考えです。

 

  1. メディスンウィールを使ったエクササイズ

ここで、私がよく使うメディスンウィールでのワークを紹介します。このワークは個人が自己ヒーリングのワークとしても使えますし、学校教育やワークショップ、リーダーシップトレーニング、企業研修などでも自分の状態を振り返るために使われています。

 

質問1:思考、肉体、感情、霊性・精神性の4つの要素をみて、あなたの活動はバランスがとれているでしょうか?4つのうちのどれかに傾いている傾向がありますか?

 

例えば、

  • 思考グセが強く、行動力が低くかったり、どちらかというと人の気持ちを汲み取るのが弱い。
  • 感情に流されやすく冷静な判断ができないときがある。
  • 霊性や精神性など、抽象的な概念とのコネクションを感じ取ることばかりで地に足がついていない。
  • 目に見える具体的ものにばかり意識が向き、全体を概念的に捉えたり、思慮深さ、先見性、直感力にかけやすい。

 

など、自己分析してみましょう。

 

質問2:あなたの健全性を測るとしたら、4つの要素それぞれ10点満点で何点でしょうか。それぞれの健全性を維持するためにどんなセルフケアをしていますか?

  • 思考は明瞭明晰ですか? (7点:読書、ライティング)
  • 体は整っていますか? (7点:ヨガ、睡眠、ベジタリアン食)
  • 感情はバランスが取れていますか?(9点:友人との会話、パートナーや家族との良好な人間関係、コミュニティでの活動)
  • 自分の心の声に耳を傾けていますか?(8点:瞑想、散歩、日記)

 

  1. まとめ

今回は北米大陸の先住民の知恵である、メディスウィールを紹介しました。メディスンウィールは世の中のマイクロそしてマクロレベルのライフサイクルをシンプルに説明し、健全な個人、社会、自然と宇宙の関係を表現しています。迷いの多い複雑な情報化社会の現代において、非常に役立つ指針です。ぜひエクササイズなどを使ってみなさんの日常生活にも取り入れてみて下さい。それではまた〜peace✌️

 

<参考サイト>

https://www.nlm.nih.gov/nativevoices/exhibition/healing-ways/medicine-ways/medicine-wheel.html

 

https://www.powwows.com/native-american-medicine-wheel-comparison-in-life/